最近、各メディアがこぞって住宅ローン6月危機や任意売却についてのニュースを流していますね。
こういったことは以前より指摘されてきたことですが、まもなくボーナス季節ということもあり、今が旬なニュースなのですね。ご参考までに、6月の東京地裁分「配当要求の終期の公告」数は、昨日18日までで200事件です。全国規模でみると、相当数の不動産に対して民事執行法に基づく差押え競売開始決定がなされていると思われます。
※補足:6月1日(月)~昨日18日までの200事件内訳
6月1日(月):11事件
2日(火):12事件
3日(水):10事件
4日(木):9事件
5日(金):22事件
8日(月):11事件
9日(火):16事件
10日(水):14事件
11日(木):9事件
12日(金):17事件
15日(月):15事件
16日(火):21事件
17日(水):15事件
18日(木):18事件
このように、東京地裁分だけでも、毎日(土日は除く)公告がなされており、概ね3~6か月後に、それぞれの事件ごとに裁判所によるオープンビットが開始されます。
各事件に関する詳細情報(不動産内容・所有者・抵当権金額・債権者等)については、「インターネット登記情報提供サービス」に会員登録すれば、インターネットで容易に閲覧できます。
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そもそも、社会の片隅で競売業務を行なっている私どもに、某TV局の担当者がこの問題についてのTV番組制作をするための取材にわざわざいらっしゃるくらいです。火、水曜日と電話取材、昨日は来社なさいました。
こういった不動産問題についてのメディアの動きは、記憶する限りでは、4~5年前の「これからは不動産競売・任意売却での不動産取得が熱い!」というような特集を各メディアから相談を受けて以来です。
その際、私は「不動産競売が熱い時期は過ぎ去りました。魅力的な任意売却物件は、一般個人の方に情報が行く前に私たち不動産業者が処理します。」
というような返答しかせず、各メディアの担当者と話があいませんでした。落札価格がそれほど高額ではない状態で魅力的な不動産を私たち業者が競売で取得していたのは5年前くらいまででしたから・・・。
今回取材にいらっしゃった方も、若くでご優秀な方でしょうから、報道しっぱなしで社会に不安を煽るだけでなく、その後どうすればこういった困った方々を救済できるか・・・というところまで突っ込んでいただきたいと願います。
例えば、以下のような事例をもとにTVで報映された場合、その後この方がどうなるのか、私が番組を閲覧したら気になりますが・・・。命と引換えに借金を返済しようとして悲しい結末を迎える方がいないとも限らないので。日本では、毎年3万人超(一日あたり100人前後)もの方々が自ら命を断っているようですが、こういった多額の借金が原因の方も決して少なくないように思います。
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以前4,500万円の住宅ローンを組んで自宅を購入したが、その住宅ローンの返済ができなくなった。
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所有する自宅を「任意売却」をしようとしたが、3,000万円でしか売れないと大手不動産業者に査定された。
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多額の残債(例:4,000万円)があるため、抵当権者(銀行等)が売却を許可してくれなかった。
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裁判所のオープンビットに突入すれば2,200万円くらでしか落札されず、多額の残債が残ってしまうと大手不動産業者に査定された。
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「そうすれば自己破産しかないのでは・・・」「でもどうしたならばよいかわからない」ので、不安な毎日を送るしかない・・・。
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こうした住宅等不動産を担保とした借金問題は、不動産価格が右肩上がりではない昨今においては、単純に不動産を売却することを考えればよいというわけではないのですけれども、それを理解した上で解決策を提示してくれる債務整理の専門家がおそばにいらっしゃることを祈ります。
※昨日で、ボイストレーニングが60日続きました。よかったです。
今朝の聖句について、頭を垂れて自省します。
When words are many, sin is not absent, but he who holds his tongue is wise.
(Proverbs 10:19)
ことば数が多いところには、そむきの罪がつきもの。自分のくちびるを制する者は思慮がある。
(箴言 10:19)