合衆国最高裁判所におけるオルムステッド判決:OLMSTEAD V. L. C. (98-536) 527 U.S. 581 (1999)
http://straylight.law.cornell.edu/supct/html/98-536.ZS.html
に関して、GINSBURG 裁判官による以下のopinionが、本判決を集約していると思われます。
「under Title II of the ADA, States are required to place persons with mental disabilities in community settings rather than in institutions when the State’s treatment professionals have determined that community placement is appropriate, the transfer from institutional care to a less restrictive setting is not opposed by the affected individual, and the placement can be reasonably accommodated, taking into account the resources available to the State and the needs of others with mental disabilities.」
すなわち、州は、「institutional care(施設による知的障害者支援)」から、「community placement(地域)」への移行支援が求められ、そのために必要となる資源が考慮されるべきであるという判旨であると解します。
とすれば、以下のような2つの素朴な疑問が生じてきます。
もし州が、知的障害者に対して、知的障害者施設から地域への移行支援を怠ったおそれがある場合は、合衆国憲法修正第14条デュープロセス条項に反することになるのでしょうか?
それに関連して、国(State)が知的障害者の地域への移行支援をし、知的障害者の基本権法益を保護する義務を負うという、ドイツ公法でいう「国の基本権保護義務」論的アプローチは、どのように位置付けされているのでしょうか?
さらには、こうした知的障害者の支援策を決定するにあたり、国家がどのように知的障害者の親の自己決定にかかわるかを憲法的観点から考察する必要性も感じます。
上記疑問点等を考察する上では、以下の合衆国最高裁判所判決や法を研究してみたいと思います。
DESHANEY v. WINNEBAGO CTY. SOC. SERVS. DEPT., 489 U.S. 189 (1989)
http://caselaw.lp.findlaw.com/scripts/getcase.pl?court=US&vol=489&invol=189
Baby Doe Law
http://en.wikipedia.org/wiki/Baby_Doe_Rules
奥が深い問題が山積みですが、一つ一つできる範囲で研究していきたいと思います。
”Cast your cares on the LORD and he will sustain you”(Psalm 55:22)
「あなたの重荷を主にゆだねよ。主は、あなたのことを心配してくださる。」(詩篇55:22)