今夜は、塩川伸明・中谷和弘編『法の再構築 国際化と法』(東京大学出版会、2007年)に記載されている長谷部恭男先生と石川健治先生の以下の文献などを研究していました。
長谷部恭男「国境はなぜ、そして、いかに引かれるべきか?」
石川健治「『国家結合の理論』と憲法学」
いずれも、最近特に研究対象としているものの非常に悪戦苦闘しているカール・シュミットについての論述が含まれています。長谷部先生の論述では、先日記載しましたカール・シュミット(田中浩・原田武雄訳)『政治的なものの概念』(未来社、1970年)における「友・敵」理論も採り上げられています。
カール・シュミットについては、石川健治先生が、ご自身の著書である『自由と特権の距離――カール・シュミット「制度体保障」論・再考〔増補版〕』(日本評論社、2007年)で指摘しておられるとおり、シュミットによる制度体保障論がナチス法学者としてのイメージが先行したことによる誤った判断により読解されていったようです。
シュミットについては、徹底して研究する価値を見いだすものですが、今後シュミットにある程度集中して研究するかどうかは、ベッケンフェルデ等他の研究対象との兼ね合いと導きがあるかどうかで判断していきたいと思います。ですから、シュミット研究についてはここで一旦中断し、他の研究上必要に応じて適時再開したいと思います。
なお、『法の再構築 狭餾櫺修繁 戮蓮東京大学法学部による「ボーダレス化時代における法システムの再構築」という共同研究第2期の研究成果のようです。
ところで、話は全く変わりますが、SFCG(旧:商工ファンド)の民事再生中止については、予測されていたこととはいえ、何やら底知れぬすさまじさを感じます。今後については、事がSFCGにとどまらないのは当然でしょうから、連鎖的な問題が発生・発覚してくるのではないかと想定します。
●川端牧師先生の最新コラム:「仕事を楽しむ」
http://www.glorychrist.com/modules/sections/index.php?op=viewarticle&artid=309
”Whoever loves money never has money enough; whoever loves wealth is never satisfied with his income.”
(Ecclesiastes 5:10)
「金銭を愛する者は金銭に満足しない。富を愛する者は収益に満足しない。」
(伝道者の書5:10)