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自己啓発や聖書に関する事等掲載中。引用聖句:新改訳聖書©新日本聖書刊行会 英文聖句:New International Ver.

グーグル ストリートビュー サービス変更についての考察

 本日、5月13日で、グーグルのオフィシャルブログにて発表されていますね。
http://googlejapan.blogspot.com/2009/05/blog-post_5855.html

 本サービスの場合は、インターネット検索事業者グーグルが、自ら撮影した映像コンテンツ情報を自社サイトにて自ら発信していることから、グーグルをISP(インターネット・サービスプロバイダー)ではなく、コンテンツ・プロバイダーと位置づけることができると思われます。

 したがいまして、グーグルとしても、他人の名誉を毀損するようなコンテンツを発信しているとすれば、プロバイダー責任制限法からの責任というよりは、刑法230条による刑事責任が問われることになりえますので要注意ですね。特殊な撮影装置を搭載した車で撮影した映像を、ほぼ自動的にコンピュータ処理してデータベース化し情報発信しているとすれば、これまでも人物の顔の自動ぼかし処理に漏れがあったように、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損」する映像を継続して配信し続けてしまう危険を避けるのは容易ではないと思われます。

 名誉を毀損されていると言えるような当事者が、ストリートビュー自らの名誉が毀損されるような映像が、世界中に24時間一年中配信されていることを知らない場合がありますし、一度ネット上に流出した(第三者の名誉を毀損する)映像は容易に複製されることから、当該映像を完全に削除するのは不可能に近いですしね。


 私たち、一般的な市民からしましたら、ストリートビュー・サービスによって至便性が増したといえなくはないのでありがたいと思わなくもないです。

 しかしながら、そういった意識・感情とは別に、これだけ自治体や弁護士等法律のプロフェッショナルが問題視しているサービスですから、法的諸問題がないかどうかは検討の余地がありますね。

 似たような問題として、(うろ覚えですが)昨年の慶應大学の大学院(法学研究科)の入学試験問題も、一般的な市民感情からすれば当然であると思えなくもない規正法(青少年に対するアダルトコンテンツのネット規制関連)について、本来は規制対象外となるコンテンツまで規制対象となる可能性があることから、憲法21条(表現の自由)の観点からすれば憲法違反の虞があるのではないか、という件を論ずる問題だったように記憶しています。

 グーグルのような外国系の巨大な社会的権力者が、ストリートビューやユーチューブのようにこれまでの常識を打破するような斬新なサービスを、巨大な資本力と画期的な技術力により開始することは今後も大いにありえることから、法律を学問として研究する方のみならず、クライアントの依頼等により法曹として実務的にこうした諸問題の解決に当たる方にとっても、ますますグローバルな視座が要求されてきているように思われます。

 ここは日本ですから基本は六法なのでしょうけれども、グーグルのブック検索のようにアメリカの集団訴訟の和解が、ベルヌ条約加盟国で発行された書籍の(日本在住)著作権者までその効力が及ぶことを良い例として、遠い国で成立した和解・判決を震源として世界中に揺れが生じる場合もあるからです。


 私自身は、これからも頭を垂れて法的研究を継続しつつ、法的な力を高めていく努力を日々の歯磨きと同じように継続していきたいと思います。その上では、足元(六法)を固めつつ、アメリカを中心とした海外の法律・判例についても研究を怠らないようにしていくことを心掛けなくてはいけませんね。


 "God opposes the proud but gives grace to the humble."
 Humble yourselves, therefore, under God's mighty hand,
 that he may lift you up in due time." (1 Peter 5:5~6)

 「神は高ぶる者に敵対し、へりくだる者に恵みを与えられるからです。
 ですから、あなたがたは、神の力強い御手の下にへりくだりなさい。
 神が、ちょうど良い時に、あなたがたを高くしてくださるためです。」