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自己啓発や聖書に関する事等掲載中。引用聖句:新改訳聖書©新日本聖書刊行会 英文聖句:New International Ver.

「『私人間効力』を論ずることの意義」についての最新文献

 昨年11月に制作を終えた私の稚拙な論文においては、結論部で「私人間効力」を論じて論文を終えることを当初は考えていました。しかしながら、結果的には「奉仕する自由」論、米国のステイトアクション論、ドイツの基本権保護義務論の三位一体型論述により結論を導きだすこととなりました。
 
 なぜならば、「私人間効力」については、最近の憲法学においては高橋先生の無適用説なども提唱されており、さらには「私人間効力」を切り出して論ずることが果たして憲法学上意義を持つことなのかどうかについても疑問視されつつあるように思われたことが理由でした。従来の「私人間効力」論の上位(もしくは包括と述べた方が正確かもしれませんが)概念である、基本権保護の二重構造、すなわち、「国家からの自由(防衛権)」と「国家による自由」について論ずる方が重要であることを発見した(といいますか、気付いた)ことも原因の一つです。

 「『私人間効力』を論ずることの意義」に対する疑問に対して、的確な回答をもたらしていると思われる学者様のお一人が慶應大学法学部教授の小山剛先生でして、特に先月28日発行の以下の文献がとても参考になります。

 小山剛「『私人間効力』を論ずることの意義」慶應義塾大学法学研究会『法学研究-森征一教授退職記念号 第82巻第1号』2009年1月28日発行、197-210頁。

 「私人間効力」論は難しいといわれる理由が、少しずつではありますが、最近になってようやく理解しはじめているように思います。今になって振り返ると、以下の記事の頃から私人間効力論について私自身の具体的な取り組み方が変わってきているようにも感じますね。

●私人間効力における「適用」の意味
http://blogs.yahoo.co.jp/kmdbn347/34237148.html

 長年の学説・判例にしっかりと耳を傾け、それについてある程度きっちりと研究した上で論述(発言)しないと、知らずに恥ずかしいことを論じていたということに繋がってしまうと思いました。きっと、今の私自身はそれに当てはまるのでしょう。ですから、できる範囲ではありますが、がんばって法学研究を継続していきたいと思います。


"He who answers before listening ― that is his folly and his shame. " (Proverbs 18:13)
「よく聞かないうちに返事をする者は、愚かであって、侮辱を受ける。」(箴言18:13)