言い尽くせない感謝

自己啓発や聖書に関する事等掲載中。引用聖句:新改訳聖書©新日本聖書刊行会 英文聖句:New International Ver.

刑事政策学レポート作成

 07年刑事政策学レポートは、「人格障害犯罪者に対する人道主義的刑事政策が、何故、必要であるか」という件について7000字以内で答える問題でした。本日投函します。

 将来的な裁判員制度導入も考慮し、以下に順次答える第2問を選択しましたが、とても悩ましい問題でした。


∥膾綯單直事件や連続幼女4人殺害事件の犯人のような「人格障害凶悪犯罪者」に対する「死刑」が言渡された現状について

▲疋ぅ弔痢崋匆饉N貼莇?廛廛蹈哀薀爐蓮∋犒座綢悵討箸靴童擎姪な刑事政策であるか

死刑存廃論及び21世紀の死刑存廃論は如何にあるべきか


 なお、以下の文献を参考にして、レポートを仕上げました。

1.加藤久雄ポストゲノム社会における医事刑法入門』東京法令出版、2004年
2.加藤久雄人格障害犯罪者と社会治療』成文堂、 2002年
3.加藤久雄『触法精神障害者精神障害犯罪者に対する刑事法上の対応について』
  平成17-18年度科学研究費補助金研究成果報告書、2006年
4.法務総合研究所(編)『犯罪白書・平成18年版』国立印刷局、2006年
5.団藤重光『死刑廃止論有斐閣、2000年
6.滝沢武久『精神障害者の事件と犯罪』中央法規出版、2003年
7.山口幸博『精神障害者の犯罪を考える』鳥陰社、2004年
8.川本哲郎『精神医療と犯罪者処遇』成文堂、2002年
9.中谷陽二『司法精神医学と犯罪病理』金剛出版、2005年
10.藤本哲也『諸外国の刑事政策』中央大学出版部、1996年
11.三原憲三『死刑存廃論の系譜・第5版』成文堂、2003年
12.和光三津夫『日本法制史機抃椿羌曾梁膤惱佝撚顱2005年
13.ベッカリーア(風早八十二・五十嵐二葉訳)『犯罪と刑罰』岩波書店、1995年
14.日本弁護士連合会(編)『死刑執行停止を求める』日本評論社、2005年


 「死刑制度がある限り、社会の関心はもっぱら殺人者がどのように処罰されるかということにのみ向けられ、被害者遺族に対して社会は無関心となる(したがって、被害者支援に対する財政的負担には消極的姿勢をとることになる。しかも、このことは潜在化し、表面には表れないので、容易には気づかれず、看過されやすい。)が、死刑はそのことの言い訳として使われていると、MVFR(アメリカの「和解のための殺人被害者遺族の会」)代表者が自らの体験として語っている」(日本弁護士連合会(編)『死刑執行停止を求める』47頁)。

 「本当に肉親を愛していたのなら、遺族は、加害者に対して死刑を求めるはずであるという誤った被害者像(マスコミなどの影響によって歪められ、そのような形に標準化された被害者像)が社会に根深く存在している」(日本弁護士連合会(編)『死刑執行停止を求める』47頁)。

 「一般の受刑者の矯正の問題は、自ずから死刑の問題に関連してくる。死刑囚であってもけっして改善不能ではない。例えば、メッカ殺人事件(1953年)の正田昭という人物は冷血的極まる、情性欠如型の精神病質者といわれるタイプで矯正不能といわれていたが、有名なカンドー神父の感化を受けてカトリックに入信し、しかも獄中で文通していた女性や母親の力もあって見事な人間に立ち直っていった。どんな人間でも、最後の最後まで、無限の人格形成可能性をもっていると信じる」
(団藤重光『死刑廃止論』128頁)

 ”The stone the builders rejected has become the capstone” (Matthew 21:42)

 「家を建てる者たちの見捨てた石。それが礎の石になった。」