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自己啓発や聖書に関する事等掲載中。引用聖句:新改訳聖書©新日本聖書刊行会 英文聖句:New International Ver.

日米包括経済協議(1993年)を振り返る

引き続き、北村教授の文献

北村洋基『岐路に立つ日本経済』大月書店、2006年。

の研究についてです。私は特に、平成元年から平成7、8年くらいまでを研究しています。

 この時期の大きな岐路のひとつとなったのが、「日米間の新たな経済パートナーシップのための枠組みに関する共同発表(1993年7月)」、いわゆる日米包括経済協議とのことです。本件については、外務省の以下のウェブサイトの下部に原文(英文)が掲載されていますね。

●JOINT STATEMENT ON THE JAPAN-UNITED STATES FRAMEWORK FOR A NEW ECONOMIC PARTNERSHIP
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/framework/index.html
「The Framework will serve as a new mechanism of consultations for Japan-United States economic relations. This new economic relationship must be balanced and mutually beneficial, and firmly rooted in the shared interest and responsibility of the United States and Japan to promote global growth, open markets, and a vital world tradi」(上記ウェブサイトより引用)


 本件について、北村先生は、前掲の文献において、以下の通り厳しく指摘しておられます。

 「日米包括経済協議は、日米構造問題協議が建前としてであれ持っていた相互の経済構造の問題を協議し解決を探るという双方向性をかなぐり捨て、円高放置とスーパー301条適用を圧力とした日本側の一方的譲歩による決着に終わったこと、また当初はマクロ的な数値目標を掲げたがそれは取り下げ、アメリカの業界の利害を直接反映した個別分野についての市場参入を数値目標つきで事実上日本に受け入れさせたという点でも、きわめて特異な協議とその決着であった。」(141頁)

 さらには、頻繁に耳にする「グローバリゼーション」についても、単なる日本の国際化的な意味合いではなく、以下の通り述べておられます。

 「90年代のグローバリゼーションは、単純なグローバルな市場経済化、資本主義経済の世界化という一般論的な側面だけではなく、産業界の利害をアメリカの国家意思として実現させること、アメリカ産業界・多国籍企業の要求を日本だけではなく世界に受け入れさせること、そのために国際的ルールを作りまた改変するとともに、場合によっては国際ルールを無視して露骨に自国利益を貫徹させるというアメリカ政府の政策として進行したという側面があることは、日米包括経済協議の経過がまざまざと示している。」(141頁)


 新政権になって、日本経済はますます岐路に立たされていると思われます。

 新政権といえば、自民党が圧倒的多数で勝利を収めた4年前からと同様に、今後どんどん新しい法律が制定されていくような気もしなくはないです。こういう状況を鑑みますと、

「法律は政治の下部組織」

というようなことを敬愛する先輩がおっしゃっていたことを思い出しました。

 同じ法学部でも私は政治学科卒ではなく、法律学科卒ですからなんとなくムズムズしなくもないですが(笑)、とても的を得た表現ではないでしょうか・・・。



”But I tell you: Love your enemies and pray for those who persecute you”(Matthew 5:44)
「しかし、わたしはあなたがたに言います。自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。」
(マタイ5:44)